8月1日、曇り。
ベースキャンプ地であるモイルス湾を出発し我々は一路、知床半島を目指した。
最初に言っていませんでしたが、この探検隊は小学4年生から中学3年生を対象とし、経験の浅い小学生低学年はモイルス湾で5泊6日を過ごしキャンプ、アウトドアの野外経験をつみチームワーク、助け合いの精神を学びます。そこで経験を積んで半島までのチャレンジへ始めて挑戦できるわけです。つまり、中学生であってもいきなりはチャレンジへ進めないわけです。
人肉食事件のあったペキンの鼻の手前の小川を2本渡ります。
小学生、中学生女子、女性スタッフのみは隊長がサポートします。
がっ・・・しかしこの時点で1人の女性スタッフが水没・・・・小川を渡るという経験が無かったのでコケでつるつるの石に足を乗せたわけです。
ペキンの鼻から隊員を見やる
記念撮影前の小休止。遠くこれからの難所を眺めます。
取材するズブ濡れのミホッチ、やがて隊員たちからつけられたあだ名は『壇みほ』。
最初の難所、近藤ケ淵に着き、潮が思ったより多くスタッフ子供達に緊張が走り慌しくなります。
スタッフまんさんも、もしもの場合に備えて長い棒を用意し配置へと向かいます。
深い海面に足場を作る自分ときっきとやっこさん、せいうちの4人は普通のパンツ一丁になり隊員を水没から救いますが、やっぱりミホッチ水没・・・・隊員を助けて隊長2回水没、ザックを水没から回避しようとしてまんさん3回水没。
必死で助けたパンツ姿の我々に女子隊員からは感謝の言葉ではなく・・・・キモイの情け容赦ない言葉が浴びせられたのは言うまでも無い。
1m以上もある岩が連続して延々続く行程にさすがの隊員達も疲労の色が出始めますが、本番はこれからです。
2度の水没で既に着替えも無く、慣れない行程で数え切れないほど転倒し、衰弱しきったミホッチ、最後尾で到着し隊長もマッヒーも心配しますが、Sな自分は次にどんな事が起こるのか楽しみなだけです。
滝川での大休憩を終えて本日の難所、念仏岩へと向かいます。
念仏岩が見えてきました。岩と岩の中間にある幅1mほどの通路?以外にルートは無いわけで、命綱を確保する場所もありません。
みっちゃんから子供やスタッフに指示が飛びます。
スタッフ1名に隊員2名のチームに別れ登ることになりました。
ここで、隊員達の度胸や裏側が見えてきます、昨年は豪雨のため回避しているのでほとんどの隊員が初めてです。
まずは隊長がルート確保のため身体能力の高い男子中学生を連れて登ります。
わかりますかね?真ん中よりチョい右の藪の中。足を滑らせたらアウトです。
そして、さらに恐怖なのが登ったら下りるわけで、ほぼ垂直な岩壁の懸垂下降が待っています。泣きの入る隊員も少なくないですね。
岩壁に90度に立って下りていくわけですが・・・・・・楽しむ人もいます?
チャレンジ初日で念仏岩を超えたのは10数年ぶりという話し、しかも大所帯。
本日の宿泊地であるサケ定置番屋へ到着しました。
以前は念仏岩洞窟での夜営でしたが、海岸侵食で中まで海水が浸入するようになり、落盤や熊によるザックの強奪まで発生し現在は安全上の配慮から間借りしています。感謝ですね。
あるスタッフの苦闘の痕が痛々しい。でも・・・難所はこれからも続くわけです。
日没と同時に激しい睡魔が隊員、スタッフを襲います。
25人の懸垂下降を担当し、裏方として神経を削いだみっちゃん・・・・歯を磨きに行った帰りに力尽きました。他にも寝袋まで辿り着けなかった隊員やスタッフもいましたね
心配した熊との遭遇も無く、こうして2日目の夜は更けて行きました。
つづく