月曜日のこと、漁を終え帰港途中、定置網の向こう側に大きな塊が見えました。
大きさの異様さに、すぐにはそれが何なのか理解できないほど!
できる限り近寄って、それがトドどころかはるかに大きいクジラの死体であることを理解しました。
体内にガスが溜まって、とんでもないことに!
帰港してから、問題の定置網漁業者らにクジラの死体が絡みついていることを報告しました。
もうすぐ、沿岸ではコンブ漁が始まること!
漂流させると衝突などの危険があり、その形態から機雷に近い状態であること!
重機などによる回収が困難な場所に漂着した場合は過去の例のように10頭以上を越える熊が押し寄せることがあり、お祭り騒ぎになる可能性があること!
等々から回収をお願いしました。
なんでも網の外側から絡みついていて日曜日の強風によるものと推測できました(沖から陸に向かって吹いた)
無事曳航してきました。
内臓にガスが溜まって、想像するに胃袋でしょうかね?
クレーンで持ち上げてトラックの荷台へ積み上げます。
ロープが切れるのではとハラハラドキドキ!
無事着艦!
口の中からこんな感じで飛び出しています。
山奥の第一サティアンへ!前回ではポアしたクジラの解剖が行われた施設です。
サティアン・ポアの意味が解る人はかなり少なくなったかな?
道中、トラックの荷台はアオリが無く、チェーンなどで固定されていなかったので、それはそれは微妙にごろごろ動いて怖かった!
大きさが判るというものです・・・というか、荷台で刺激を受けるせいか・・・・どんどん膨らんできた!![]()

収容施設に着くと、あっという間にハエが群がります。
トラックの荷台からどうやって下すのかと思っていたら?
タイヤショベルで横から押して転がり下ろす作戦!![]()

何気にすぐそばで見ていた自分・・・・!
ヤバイ!
足のヒビもまだ完治していないのに、死に物狂いで逃げました!
背後でクジラが落ちる音と同時に『ブッシュ~』という破裂音!
迫りくるこの世のものとは思えない臭気と内容物の雨!
足の痛みも忘れて逃げ切った自分を褒めてあげたいと思ったが、戻り返して見た惨状は画像としてあげるにはあまりにも酷かった!
でも自分にはやらなければならない使命があるわけで!
任務完了!
背中側の筋肉組織なのに、醗酵ガスの圧力で『シューシュー』音がするんです。そしてどんどん膨らんでくるんです。
時限爆弾の解体を行っている気分を味わえました。
ミンククジラはごくありふれた鯨種で資源量がどんどん増えていますので解剖などの学術調査は行いませんでした。この筋肉組織はその日のうちに大学側へ送付し、大学側では各地の研究機関へと分類し送付します。
とまぁ、日々こんなことばかり仕事もそこそこにやっている自分です。
おわる!