北海道恵庭市で先月下旬、ハンターがシカと間違えて猟銃で北海道森林管理局の男性森林官を撃ち、死亡させた事件を受け、同局は11日、道内の全ての国有林で来年1月15日~3月末、猟銃を使用した狩猟を禁止すると発表した。都道府県全域の国有林での禁止は道内では初で、全国でも極めて異例。
シカ、クマ、ウサギ、カモなど全ての野生鳥獣への狩猟が対象で、わななどによる捕獲は可能。ただ、シカは深刻な食害被害対策として市町村が実施した場合に限り、一般人の入林禁止などの安全措置を実施すれば認める。
道内の猟期は10月からでシカ以外は1月末まで。シカの猟期は地域によって異なり、南西部の多くは3月末、十勝やオホーツクでは2月末などという。今回の禁止は狩猟者に法令やルールの順守徹底を促し、再発防止を図る狙いがある。
11月の死亡事件では、ハンターが巡回中の森林官(当時38歳)を誤射。同局によると、森林官はオレンジ色のヘルメットに赤いジャンパーの目立つ姿で林道上を歩行しており、同局は「確認をせずに法令で禁止されている林道に向け発砲したことは明らか」と指摘した。
11月20日に北海道恵庭市の国有林内で事故が発生しました。
第一報を知った時は、『またかよ』でしたし、これでまた更に締め付けが厳しくなると感じました。
自分が銃所持の決心をした時のある事件があります。
常々、身内にハンターが多かったこともありましたが、深刻化する獣害(鹿よりも身近になっていた熊やトド)とハンターの高齢化、減少を危惧していた矢先に長崎県で猟銃によるストーカー殺人事件が起きました。
所持が厳しくなる、今しかない・・・そう思ってからの行動は早かったです。
銃を所持してからも次々と事故は起きました。
そんな中、忘れられない悲しい事故が2011年に起きました。
北海道胆振管内厚真町での死亡事故、殺人事件と言ってもいいでしょう。
この事故の犠牲になられた方も森林作業に関わる方でした。
しかも、逃走して未だに捕まっていません!
当時もそうでしたが、林業、山での工事作業される方々にとってはとんでもない話で怒りの矛先は他のハンターにも向いていました。
我が羅臼町でさえ、有害駆除作業中に『撃たれるんじゃねえか』と半分は冗談としても半分は本気とも取れる目で見つめられながら言われたものです。
その記憶も残ったまま今回の事故です。
友人春日部のハンターシェフが危惧していました。
いたずらに、ジビエなどで煽ってハンターを増やすことに違和感、事故の増加を懸念する意見を述べていましたがそれが現実となりました。
林業はじめ山間部で作業される方々、或いはアウトドアで山に入られる方々は常に発砲される危険を感じ無ければならず、こんな怖い話はありません。
足元から飛び出す冬眠中の熊も怖いですが、常にどこから狙われているかわからないスナイパーの恐怖は戦場と変わらないわけです。
職場の方々の怒りは至極当然です。
自分がその立場でしたら同じ措置、もっと強い行動に出ていてもおかしくないでしょうね。
事故が起きて、すぐに仲間らには今後、そして来年以降は狩猟のための林道解放は有り得ないだろうと言いましたが、それ以上の措置です。
今年限りのようなニュアンスですが、はたして来年度以降は・・・も継続されるのではと感じています。
狩猟者で入林許可を取る方にはこういう冊子が配られます。
大変見づらく、わかりにくいぼやけた地図です。
道有林や町有林、私有林も別サイトで調べていますが、難しいですね!
林野職員はそれぞれの区別はできるでしょう。我々もしつこく注意すれば何とか、でも一般の方々や警察官はどうでしょう?
地域、市町村によってはほぼ、狩猟可能な地域が無くなった場所も沢山見受けられます。
可能な場所があったとしても鹿は居ませんし、誤解から通報される恐れもあります。
実質、今年の北海道内での狩猟はこれで終了と思っても差し支えないでしょう。
有害駆除は許可されていますが、羅臼町みたいに役場立ち合いで会員全員が集合して行うような駆除でしたら可能でしょうが、個人で行う駆除は狩猟との区別が本人以外わかりにくいので通報の対象となりえます。
困るのは狩猟ガイド業の方、内地から楽しみに遠征される方、そしてジビエ肉の確保を目指して企業された方々でしょう。
今年から始めた新人ハンターは諦めた方が無難です。いつ辞めようかと考えている高齢ハンターの方々はこれがきっかけとなるかもしれません。
自分でさえトドの海獣被害が無ければ、辞めてもいいかなとも思っています。
職業的に鹿が増えても困りませんし、羆は檻で何とかなる時代! 最悪の事態は生命保険があります
被害に遭われた菅田健太郎さんのことが
ご家族に幼い子供が3人いることが明記されています。
お父さんを突然、銃で撃ち殺されたわけです。
知らせようという善意に銃弾が・・
現場に居合わせた同僚の方も同職業関係者の方々も怒り心頭なのは当然です。
服装に問題も無く・・・
知らない方のために
今回の銃弾はハーフライフル(昔は散弾銃でひとくくり)と言われる銃に使われる弾が使用されました。
ニュース画像から見えたのはフェデラル社製のサボットスラグ弾。
発射直後、銅の弾が音速を越えて回転しながら標的に飛んで行くわけです。(下画像の右)
やがて標的に命中した時に左のように、花が開くようになり、これが回転しながら肉や骨を砕いて破壊し体の中をつき進むわけです。
あまりの残酷さに戦争では使うことが国際条約で禁止されているタイプの銃弾です。
こうして考えると・・・とにかくもう2度と起きて欲しくない事故です。
今回の事故で林業関係者からの信頼は元々無かったうえに、もっと酷いことになり何年かかっても信頼の回復は望めそうにありません!
これから新しく銃所持を目指す若者は道内に限って言えば減るでしょう。何よりも家族友人職場の理解が得られるとはとても思えません!
警察生活安全課も良い顔はしないでしょう。
春の銃検査ですがきっと、いろいろと言われそうですね!
自分のところの新人ハンターも初めて申請に行ったときに頭ごなしに犯罪者扱いされたのは有名な話で、何も知らずに行った本人は怒り心頭でした。
個人的には風貌が自分に似ていたので俺と間違えられたんじゃないかと?