知床が世界自然遺産に登録されて今年で10年目となりました。
そんなこともあり、今年の探険隊は数社の報道機関が同行する予定でしたが、難易度の高さと危険度の高さから1社のみとなり、それも初日で撤退するというそんな事業です。
過度な責任問題を追及する風潮の世の中にあって、ここ羅臼町のこの事業は世間の流れからは明らかに異質ではあります。
常に危険と隣り合わせ、それは都会に住む人々には遠く理解できない世界でもあり、そんな事業を続けていくことに異論をはさみたくなる気持ちもあろうかと思います。
今回はSNSの問題が表面化し、当初は掲載予定ではありませんでした。
自分の中でも記事にすることで関係機関に迷惑が及ぶことを恐れましたが、当の本人たちが望んでいる以上、子供たちの純粋な気持ちを無視し、大人の愚かな事情で止めてしまうのはあまりにも横暴だと思った次第です。
これから書く記事については自分の個人的な判断で掲載し、関係機関には通知していませんし、もちろん了解を得ていません!
責任の所在は全て自分にあります。
羅臼町内の方であれば直接、自分に言って来て下さい。
この誇るべき素晴らしい事業が大人の事情で絶えてしまわないことを切に願います。
第33回ふるさと少年探険隊初日
午前5時。隊員たち、スタッフが全員集合しました。
はじめに、羅臼町教育委員会教育長からの挨拶。
このとき、当社参加予定だった一人!チャレンジ隊の『まお』が見送りに来ていましたね!
怪我により急遽参加を取りやめましたが悔しかったのと、寂しさがあったと思います。
来年、一緒に行きましょう。
隊長の挨拶、隊員の保護者への挨拶、保護者へスタッフの自己紹介と続き道路の無い相泊までバスで移動です。
相泊漁港での出発前の準備体操!
天気予報が曇りの中、いよいよ出発しました。
まずは点在するクズレ浜までの昆布番屋街を抜けます。
昆布番屋街が途切れた場所で最初の小休止!
エンジンが温まってきたところで体調の様子の確認や早朝だったこともあり、まだ朝食の済んでいない隊員スタッフがここで済ませます。
そしていよいよ出発!
クズレ浜終点、観音岩手前で先頭を行く自分との間に最初の熊がいきなり現れました。
注意して見上げてはいたのですが、少し距離を取りすぎたことに反省です。こういう、間に入られてしまうのが一番怖い!
ちょうど、船外機船で沿岸を観光するツアー船が通りかかり、探険隊の紹介、そして目の前で繰り広げられるスタッフの熊対応の様子を生で見ていました。
最初の難所、観音岩が見えてきました。
初参加の子供たち、高所恐怖症の参加者にとっては緊張の崖登りです。
スタッフが準備している間に隊員たちも素早く行動食を取り、登攀するための準備をします。
途中、岩場で怪我をした『そら』も大事に至らなく、復帰し登りました。
チャレンジ隊、小学6年生『やまと』・・・なんかかっこいいですね!
身軽で体力・度胸があり、お笑いセンスも十分で、全行程で疲れを感じていなかったはずです。
観音岩をクリアし、昨年秋に一般のトレッカーが悲しい事故に遭った難所『デバリ、トッカリ瀬』の安全を確保すべくスタッフが3名が先行します。
デバリを前に小休止!
この頃には多湿で猛暑が続く予感です。
難所をクリアして行きます。
今回は凪ていた上に、大潮の最大干潮時だったこともあり、全く問題なくクリアしましたが、ひとたび荒れると凶暴な牙をむきます。
ここから化石浜をクリアし、次の難所について話し合う3人!
化石浜を通過し、巨岩地帯を前に再度休憩です。
実質休憩はこれが最後となり、巨岩地帯から一気に本日のゴールとなるモイレウシ湾を目指すことになっていきます。
巨岩地帯に突入し、岩の中をくぐります。
慎重にルートを選びます。
岩の中をくぐります。
ルートを選んで進みます。
岩穴も潜り抜けます。
昨年、波に翻弄された剣岩付近は穏やかで難なくクリア!
最後の難所、モイレウシ湾の崖登り!4年生初参加の『ゆきは』も頑張ります。
最後はしんがりを担当しザイルを回収すると、全員で一緒にゴールして行く光景が見えました。
到着すると、プログラムディレクター『じゅんちゃん』の指示です。
5泊を共にするテント設営です。
そして焼肉パーティー!この頃には涼しくなり疲労感と行程の厳しさから皆空腹です。
用意した肉もすべて完食となり隊員たちのお腹に収まりました。
陽が沈み、シマフクロウの鳴き声がこだまする中、チャレンジ隊(岬を目指す子供たち)は明日の行程に向けみっちゃんから細かい指示が飛びます。
どの子も真剣に聞き取り、質問しています。
はじめての参加で眠れずハイになった状態の子供が数名テントの外で意味も無く動き回っていますがそれも時間の問題!
こうして探険隊初日の夜は更けていきました。