そして、男性スタッフがまず最初に現場に入ります。
午前2時を回ったころ、隊長が動きました!
『生くぞ!』
『準備しろ!』
船頭多くして…とは言いますが、絶対的な説得力、カリスマ性が皆に勇気を与え気合が入りました。
『行くしかない』と
みんな一斉に準備を始めます。
ただ事ではない雰囲気に子供たちにも緊張が走ります。
男性スタッフがまず最初に現場に入ります。
若干和らいできているとはいえ、相変わらず荒れています。
それでも当初よりは波の間隔があり、自分も含め一気に駆け抜け荷物をおろし、ザイルを張り、要所要所に張り付きます。
我々は命綱なし、波が押し寄せたときは岩をよじ登りしがみつくだけです。
ザイルは子供たちや女性スタッフの安全を確保する意味からもつけるわけにはいかなかったのです。
隊長の判断はまさに絶妙でした。遅ければ暗くなり、早ければ犠牲者が出ていた可能性がありました。