諸般の事情があって記事にするのが遅くなりました。
出会いの後、精神的なダメージが大きく、しばらくは野外に出ることが出来そうもありません
3月12日のこと、例の如く次週の有害駆除の場所を選定するにあたり、共栄町と海岸町の間にまたがるチトライ川及びハシコイ川の上流部を覗きに行きました。
チトライ方面は2月初めに行ったので今回は覗くのを見送り、ハシコイ川の源頭部を目指したのです。
期待はしていたんですよね!でも全く痕跡はなく、双眼鏡で周囲を隅々まで覗き込みますが足跡すらありません!
海岸町方面の山奥、にはチラホラと見えていましたが!
ここもダメかと思いながら振り返ると・・・『地球は丸かった』
少し登ってきたルートとは別に右側に寄り、眼下の灯台を目指しました。
灯台駐車場の柵を廻りこみながらクジラの見える丘公園の展望台へ立ち寄ろうと思ったのです。
野外を歩いている最中は常に何かないか?と180度注意して見てはいるのですが・・・・振り返って・・・・次に振り返った時にいきなり後ろに居た!・・・・・・・・
目が合い、向こうは一度立ち止まってくれました。その間に自分は頑丈な展望台デッキへ移動。
安全な展望台から見るとこんな感じ!彼は奥に見えるブラックボックスのあたりから上がってきました。
自分はというと赤白模様の灯台に隠れた場所を歩いている最中!
避難を終え、身の安全を確保してから自分が持っていた武器を確認すると、ガラケー、コンデジ、双眼鏡という野外三種の神器のみ
とりあえず一番役に立つ携帯を震える手で操作し、撮影しながら助けを呼びます。
なにせ、心の準備がありませんでしたし、一度振り返って次に振り返った時に居るわけですから、びっくりするなと言う方が無理です。
その間に熊はゆっくりと移動開始!
でも、こっちへ来そうだったので声をかけました。
撮影はしたい・・・電話もかけたい・・・・おしっこもしたい・・・・3つ同時にこなすのがこんなに難しいとは・・・・。
ビビりまくる自分をよそに、彼は自分の足跡を辿って山奥へ戻っていく?
駐車場の外を廻りこんで山奥へ戻っていく?
胸をなでおろし、電話応対してくださった役場T氏からヒグマ対策のスペシャリストを現場検証のために送り込むという話をされていたので待つことに!
その間、動きを観察します。
あれ!戻ってくるの?
単に、ビビりまくる自分を避けて遠巻きにしてくれたようです。
気を使ってくれているのは解りますが、展望台への取り付け道路を目指して下りていきました。
やがて、羅臼のクマ対応専門機関(羅臼ビジターセンター)から職員がやって来ました。
彼女を見て、ようやく手足股間の震えが止まり、喜びのあまり抱き付きたくなりましたが熊より強烈な張り手を食らいそうだったのでなんとか自分を制止!
職員:『クマ、今・・・下に居ますよ!途中に居たので少し時間がかかりました』
自分:『・・・・・・』
下の方(住宅地)では別な職員が対応しているというので現場検証!
自分のスノーシュー跡を辿って駐車場を廻りこんでいった足跡
取り付け道路を下って車に戻る途中、熊が坂を滑り降りた跡!
その急ブレーキの跡!
車に辿り着くと現場では住宅街の裏山から時々顔を出しては移動している様子!
海へ下りたいのでしょうね?
時々、上でくつろいだり・・・・!
やがて、山に戻っていきました。
人馴れしているので、少し心配ですね!
自分はというと良い経験をしましたが、こんな経験を時々お客さん連れで対応するアウトドアガイドの連中って・・・・どうかしていると思った!
そして、クマ対応で日々動き回る知床財団職員動じなさ過ぎ、仕事とはいえ、少し変!
手の震えが止まった自分、もっと性能の良いカメラを買おうと思った日でした。