昨年の12月初め、標津町と羅臼町の境界付近、羅臼側沿岸から4.5海里で操業中に刺し網が揚がってこなくなりました。
海底にある何かに引っ掛かったようで、無理に巻き上げようとしても船が傾いて転覆するような事態。
一度離して、反対側からも揚げて行きましたが同様に・・・それでも漁網の部分は全て上がり、ボンデンの瀬縄とアンカーのみが取り残されました。
手に伝わる感じから海底に古い漁具、漁網の残骸が鎮座しているようです?
これは何とかしないといけません。
でも自分の船の能力ではどうにもならず、漁業協同組合の指導船に処理をお願い
一度、引き上げに来てくれたのですが、あまりの残骸の重さに出直すことに・・・
年が明けて、周辺海域に他の漁具や漁網が操業終了で無くなったことを見計り、浅瀬まで残骸を曳航し、浅瀬で積み込んで帰って来てくれました。
こうした古い漁具や漁網はしばらくの間、多くの魚たちの墓場となります。
これを『幽霊漁業』と
こういう物がいつまでも海底にあると漁場が狭くなるだけでなく、資源的によくありません。
不法投棄もありますが、時化での流出も、或いは複雑な国際事情も、
引き揚げられた残骸は船の中を埋め尽くしていました。
残骸が新たな残骸を呼び、複雑に絡み合い、どんどん大きくなっていく典型です。
この中から、自分のアンカー(ぐにゃぐにゃに変形)などを回収、流氷に現場が埋めつくされる前でホッとしました。
気になるロシアの主張を拝見!
根室海峡のロシア側の海には捨てたのではなく、日本の安全操業刺し網がロシアのトロールによる切断で多くが残骸となっているはず。
その昔、スケソウ漁で賑わっていた頃は漁期終了時に全漁船が出て海底をカイデ(熊でのようなもの)を引き廻して残骸回収という海底掃除をしたものです。