トド
一部時効を含むのでその点も含めて!
幼少期、周りには鉄砲撃ちの叔父さんたちが普通に・・・
冬場は漁は休み、そこで猟ですね!
冬にアザラシやトド撃ちで生計の足しにというのはごく普通。
叔父たちこそ海獣類は生計の足しというより趣味の延長で撃っていたように思います。
というのは船ではなく、沿岸から海に向けて・・・回収無しです。
射撃練習も良くしていたので、後から現場に行き空薬きょうや時々実弾も拾い持ち帰る平和な昭和40年代でした。
漁業者にとっては憎い海獣類に立ち向かう猟師はヒーローでもありました。
懐かしい映像がYouTubeにあったのでご覧ください。
知床ですが、画像の方々は既に・・・
有名な話ですが、日高では自衛隊が・・2:50真面目な女性アナウンスで『流石のトドもトドメをさされたか」・・・
羅臼でもトド猟師で生計が半分成り立つほどトドがいて、被害も大きく駆除費用も出ていました。
町内にはトド料理店もあり見せるではなく、獲る、食す観光でした。
そんな最中、大事件が起こります。
豪州(オーストラリア)の新聞記者が取材に来ました。
高級紙『シドニー・ヘラルド・モーニング』紙の記者です。
事情をよくわからない田舎町の猟師たちは快く取材に協力しました。
それが自分たちの首を絞めることになるとは夢にも思わず。
単に観光、好意的にしか思わず、世界情勢などわからない人たちにとって外国人に良くする、協力するのは当然です。
取材は事細かに行われ、帰国した記者の記事は大々的に報道されます。
南半球にはいない。北半球、オホーツク海に生息するトド、しかも冷戦時でソビエトに行くことは叶わず、辺境の島国日本のさらに北海道・・さらに知床羅臼に取材に・・明確な意図があったことが伺われます。
なぜ、彼らに関係ない辺境の地のトド狩猟(駆除という名目)に噛みついたのか?
今の豪州を見てもわかるように、クジラです。
その報復的行為ですね!
科学的な反論データーが無い中、まさに弱点を突かれました。
小さな田舎町、ただの猟師たちにとっては青天の霹靂です。
何よりもこんな報道のされ方をされるとは夢にも思っていなかった猟師たちの怒りはそうとうなものがあったことを知っています。
騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか、目的のために手段をどう選ぶか、人というよりは人種的な立場を感じます。
トド猟師たちの取り巻く環境は突然、まさに『トド』めを指された感じ。
以後、全面禁止とはならなかったことが救いですが細々と蝋燭の炎のように・・・。
21世紀となり、取り巻く環境が少しずつ変化、変化させてきました。
2003年5月の新聞記事です。
文中では購入費の補助について書かれていますが今はどうなっているんでしょうか?
おそらくは長くは続かなかったはずです。
科学的な検証が必要なことも書かれており、その対応が急がれました。
やがて、知床は世界自然遺産登録へ・・・2005年です。
海への規制については漁業者は敏感でしたね!自然保護と言えば何でも規制、禁止というのが頭にありました。
当然トドも同様。
ましてや過去の豪州例。自然保護団体のやり方に著しい嫌悪を抱いていたので研究者さえも同じ目で見ていたものです。
しかし、それでは前に進みません。
その頃から、羅臼ももちろん観光船、クジラウォッチングが始まりました。
捕鯨は既に青色吐息、イルカの突きん棒も・・・流氷時期の海獣類も観光の対象に、共存がにわかに現実味を帯びてきましたが鯨類と違い被害が如実に表れるトドは微妙です。
根室海峡の魚類資源量の減少に伴い、群れの大半は日本海側へ移動しましたが、それでも残っているトドによる被害が止みません。
しかし、駆除による頭数制限は科学的な根拠が無くては1993年の二の舞になりかねませんし、時代が変わり国内においても動物保護、愛護は身近な問題となり同意にこぎ付けるのが難しい時代です。
時間ばかりが過ぎて行きますが、少ない研究予算の中で地道な調査が始まっています。
トドハンターを増やすにも科学的な理由が必要です。
研究には漁業者も協力します。20年も前なら考えられなかったことです。
今後どうなっていくのかは未知数ですが、トドハンターを増やすにはもっと大きく門戸を広げないと、いざという時には誰もいないということになりかねません。
科学的なデータは必要・・・それは理解しています。
しかし、最早時間の猶予もなく、データが揃い検証の結果中止、或いはさらなる規制となるようなら個人的には微妙です。
先日、窓を開けると目の前の海、200mほどにトドが泳いでいます。
関係ない人にとってはのどかな自然風景。
自分にとっては窓から撃ちたい風景。