知床の海岸でまた悲しい事故が起きました。
またということで、前回の事故の記事も併せて載せておきます。
今回の事故ですが、既に事故が起こった18日から日数が経過しているので皆さんの方が詳しいかと思いますが、自分が見聞きした範囲で掲載したいと思います。
尚、捜査状況について裏を取っているわけではないので事実と違うこともあろうかと思いますが、そこはご容赦ください。
事故は前日からの荒れ模様の中、多くの漁船も操業を中止していた海況でした。
18日も朝から北西風(だし風)、北東風(しも風)が吹き荒れる悪条件。
土曜日ということもあり、知床岬へのトレッキングを計画していたグループが他にもいたようですが、中止していた中で行動を起こしてしまったようです。
16時頃に現場に差し掛かり事故が発生したという話です。
そこから推測されることは、おそらく午前中は待機していたのでしょう。
当日は昼頃に風が止み、晴れ間が見えてきました。
『行ける』そう思ったのでしょう。
午後から出発したのなら、その時間に現場に到達したのもうなずけます。
2泊3日の行程、既に出遅れているわけで、予定していた初日のビバーク先は無理でも比較的安全に泊まれそうなモイレウシ湾を目指し、先を急いだと思われますね。
しかし、地元の漁業関係者ならわかることですが、この風が吹き荒れた後は津波のような高いうねりが続きます。南、南西の風が吹かなければ数日続くことも!
現場は化石浜と言いますが、具体的に聞いた場所を画像で紹介します。
Aが今回の学生が海中に引き込まれた場所、Bが前回女性が引き込まれた場所です。
Aの箇所は奥に向かって狭い切り込んだ崖をへつります。こういう場所に波が入り込むと逃げ場を失う波がさらに高く勢いを増します。当然引き波も強力です。
助かった学生が一晩明かしたということは、奥の緑の部分に逃げ込んだのでしょう。
Bはこんな感じ!どちらも少しでも危険と判断されれば安全確保は必須ですし、当日の海況を想像するに安全確保すらできない状況だったことでしょう。
当日は満潮に向かい始める時間でもあり、尚の事焦ったのかもしれません?
19日、捜索が始まり、ヘリがひっきりなしに飛んでいます。
べた凪になり、浮いていればこの狭い海峡で見つけることは難しくありませんが見つからない。
そして、必死に生きようとザックを脱ぎ捨てたんでしょうね!
現在もうねりが続いていると聞いています。
潜水による捜索がどうなっているのかわかりませんが、難しい状況なのでしょう?
海岸トレッキングは登山とは違う能力が求められます。
足腰、特に足首や膝関節の柔軟性と強靭さ!(体重をかけた石が転がってもねん挫しないレベル)
20kgのザックを背負い不整地を歩き続ける脚力と切り立った崖をへつる、握力と腕力!
波の周期を読む力!
何よりも危険を察知する能力が求められます。
河野君、自転車で旅をする元気な好青年だったようです。
本人の死の恐怖、ご家族の心中、友人知人の心中、は如何ばかりか
早く見つかって、ご両親のもとに返してあげたいものです。
来年、地獄の釜の蓋が開くというお盆にでも久々に往復してみようかと、今から思うちょります。