今年度に入ってから回収したネズミイルカはこれで4頭目です。
我が家の刺し網ではすでに3頭の混獲があり、異常に多いペースです。
理由はわかりませんが、追いかける餌が海底付近だとこうなるようです。
これが10年以上も前なら年に1~2頭くらいで、今よりも設置する網の数が3倍でしたから明らかに異常です。
年々増えていく傾向にあり、昨年は10頭ほど回収報告したような?
昨日、18時30分過ぎに同じ町内のNさん方から電話が入りました。
『峯浜パーキングの海岸にイルカの子供が漂着している』
なにせ、住宅の裏を熊がウロウロされるお家ですから心配はごもっともです。
しかし、既に寝ようとしていたし、この時間から役場を呼ぶのはあまりにも人道上どうなの?ということで頑張って一人で回収することに!
子供だというのでポリ箱(漁箱)に収まるサイズだろうと現場確認へ行くとそこには・・・・・。
いや、結構大人だし!
準備をしていざ回収という時間にはあっという間に辺りは暗くなっていきます。
50kgぐらいか?これくらい担いでやるわ・・・と意気込んで開始ほどなく・・・不安定な足場で無理に踏ん張りました。
腰の廻りやら、背骨やらが歪んだようです。
世間で言うところの『年寄りの冷や水』という奴ですね!
でも、投げ出すわけにはいきません!
おかしくなった方向とは反対側に担ぎなおして再開すると、また足場が悪く転がりそうになり踏ん張りました。
世間で言うところの『学習能力の欠如』ですね!
しばらく、じっとして起き上がると・・・・
痛みはあるものの歪みが矯正されていました。
世間で言うところの『なんでしょうね?』
そこからは慎重に素直に少しずつ引きずり防波堤を乗り越えて回収完了。
少し、漂着していた時にカラスなどの鳥に食べられています。
皮膚の微妙な模様の食べ方は脂肪を食べようと嘴を這わした痕です
少し話はそれますが、漂流する発泡スチロールなどを海鳥は嘴で盛んに突きます。これも脂肪と勘違いしているようで環境汚染の見えない問題で野鳥研究家も知らないでしょうね!
このままトラックの荷台に積んだまま、犬小屋の前に駐車して一晩明かし、翌日東農大に回収してもらいます。
犬小屋の前に置いたのは優秀な?我が家の犬たちに一晩番犬として用心してもらおうという算段でした。
そして翌日の本日は朝から時化で沖は休みました。
北海道内では北海道大学が中心となってストランディングネットワーク北海道(SNH)という組織?を作りそれに道内の大学が協力し互いに情報を共有研究するということで東農大網走や帯広畜産大なども回収解剖に関わっています。
根室管内では羅臼町は自分や役場、知床財団。
標津町は役場と一部漁業者。
別海町は野付ネイチャーセンターと役場。
根室市は振興局と博物館が協力しています。
地道なある意味汚れ仕事ですが、貴重な研究資料を得るうえで欠かせない作業です。
もしも見つけたときはイルカクジラ110番であるSNHの携帯へ
090-1380-2336へご一報いただければと思います。
対応に慣れていない市町村役場だといきなり貴重な資料をごみ処分してしまうのでお願いいたします・。