先日、朝食時にテレビをつけて見ると瞬時に心を奪われた絵の話です。
兵庫県だったのかどうかはわかりませんが、この展覧会が道内だったら見に行きたいほどです。
今は上野らしいですね!見に行くのに10万かかると思うと厳しい
絵の説明を聞いていて・・自分でさえ感情移入してしまいました。
感受性の強い女性なら涙無しには観ていられないのではないでしょうか?
『レディ・ジェーン・グレイの処刑』
在位、僅か9日間の女王様です。
鮮烈な印象を与えるこの絵は、16世紀に実在した女性、ジェーン・グレイ(1537~54)の処刑の様子を想像で描き出したもの。執行の場となったのは、王位をめぐる争いや外国との戦争という数々の血なまぐさい歴史の舞台となった地、ロンドン塔。数え切れないほどの囚人が同地に投獄され、獄死や、断頭台の露と消える憂き目にあったが、ジェーンもその一人であった。享年16歳。罪状は君主に対する「反逆罪」である。
由緒正しき血筋に生を受け、敬虔な信仰心と気品を備え、「イングランドの才女」との呼び声も高かったとされるジェーン。まだ少女といえる年齢であった彼女に、「反逆」など大それたことが、本当にできたのだろうか?
由緒正しき血筋に生を受け、敬虔な信仰心と気品を備え、「イングランドの才女」との呼び声も高かったとされるジェーン。まだ少女といえる年齢であった彼女に、「反逆」など大それたことが、本当にできたのだろうか?
純白のドレスに身を包み目隠しをされた乙女が、白く華奢な手を伸ばし、これから己の首を切り落とすために使われる断頭台を探している姿。
波打つ豊かな髪は滝のように肩へと流され、斬首しやすいようにドレスの襟元は大きく開けられている。
壮年の男性が女性の身体にそっと手を添えて断頭台へと導こうとしており、取り乱した侍女たちは柱にすがって泣き崩れたり、気を失ったりしている。
じっと見続けていると、やがて震える手で断頭台を探し当てた彼女がゆっくりと首を台にのせ、最期の祈りの言葉を唱える静かな声、そして処刑執行人によって勢いよく振り下ろされる斧の風を切る音までもが聞こえてきそうだ。
絵の中の敷き藁は流れ出た血を吸い取るための物。
斧を持つ執行人の腰にあるナイフは仕損じたい際のとどめを刺すためのナイフ。
何よりも目を奪われたのは首を乗せる台を探す左手の薬指
数日間の政略結婚とはいえ、真新しい結婚指輪。
この説明を受けると大体、女性は泣くそうです。
王権争いに巻き込まれ、わずか9日間で王座を追われたイングランド最初の女王ジェーン・グレイの処刑シーンを描いた本作。
目隠しをされた16歳のジェーンの横には背中を見せて泣く侍女と失神しかけている侍女、中央にはジェーンが首を差し出す台、下に敷かれたワラは流れ出る血を吸いとるためのもので、斬首の恐ろしさを想像させます。
絵の前に立つと、時が巻き戻ったように、絵の世界に吸い込まれそうになります。ドレスの純白さが、ひときわ目に焼き付いて離れません。