昨年末から自分もトド等海獣捕殺の許可が銃及び使用漁船に下りました。
数年前まではこの問題には関心が無く、対岸の火事のように日本海側の現状を眺めていた自分ですが、3年前から状況が一変しました。
エゾ鹿や熊に見られるように被害が出始めてからでは遅いということは知っていたはずですが甘かったですね!
羅臼の昭和な日々はトドやアザラシの狩猟(有害駆除)で生計を賄う人もいるほど海獣もハンターも溢れかえっていました。
平成になり主力のスケソウ漁が傾き始め、トドの有害駆除費用を出していた羅臼漁協も経費削減となり、それがさらに現役トドハンターの減少を招きました。
一度、閉ざされると回復はほぼ無理です。
(記事上では2人いることになっていますが、古い記事でもう一人の方は他界されています)
技術を伝承する余裕も、盗む時間さえ与えられないわけであとは自力で手探りしながら覚えていくしかないわけです。
それがどんな手間か?昨日銃を持ったから、今日からガンガン獲れるぞ・・というほど甘くないわけです。
昨年、自分を含む4名が新たにトドの捕殺許可をもらいましたが、3名は全くの初心者。まだ、射場での教習試験以外で発砲経験すらないはずです。
今はトドの捕獲に協力しているということもありますが!
これらの発信機調査で徐々に解明されつつはありますが、そもそも捕獲が上手く行っていないようで困ったことです。
その原因は自分にあるという話も聞こえていますが、例年とは違う動き、トドの学習能力、他にも様々な要因もあるでしょう。
何よりもデカく、生捕りとなると極めて危険な動物です。
発信機を装着するのも命懸けですね!
捕獲定置網の構造についてもえりも漁協が先進地であり学ぶ必要もありそうです。
個人的な見地として標津漁協、羅臼漁協の沖合での刺し網被害を及ぼすトドは対岸の国後島から行き来しているのではと?
でも、調べようが無いですね!発信機を装着しようにもその被害を及ぼしている個体群でなければ意味がないわけで、羅臼沿岸のトドとは限らないわけです。
今現在も海岸の住宅地から普通に群れを見ることができますが、これらの群れはおそらく2海里以内で操業されているタコ空釣り縄漁のタコに餌付いていると思われ、刺し網とは無縁と思っています。
今後日本海のようにタコ漁にも大きな影響が出てくるでしょう。
なぜなら、昨年7月から続く異常なタコの豊漁ですっかり学習したトドが来年以降増えるのはほぼ間違いないでしょうから?
(羅臼はアザラシがトドに代わるだけ)
どんなに追い払われても逃げないのは餌が豊富に簡単に手に入るからでしょう。
狩猟駆除一辺倒だった羅臼のトド、日本海側と違い今は観光の目玉にもなりつつあります。
世界自然遺産地域ということもあり調査も行われています。
様々な思惑が交差し、いっこうに進まない駆除対策にきっと漁業者の方が先に参るでしょうね!