もうすぐ、9月から我が家は北寄貝の漁が始まります。
北海道知事許可で特別採捕の試験操業という形です。
1か月間の操業ですが、漁場が限定的で主たる場所も今年は港湾工事の関係で操業ができない状況です。
それでも、秋サケ来遊時期と重なり、刺し網漁に制限があるためこれをやるしか道は無いのですが今年はさらに厳しいことに!
1か月の水揚げ金額が100万に満たない漁で経費も掛かりあまり旨味が無いけれど、漁獲した貝を楽しみにしてくれている町民も居てやりがいがあるのです。
でもそんな思いに水を差される形で今年はスタートしますが!
2枚貝は水中のプランクトンを器官で吸い込んで食料としていますが、その際に毒性のあるプランクトンを吸い込むと中腸線にその毒を貯めこんでしまいます(徐々に排出はするが、吸い込む量が多いと間に合わない、人間でいうところの肝臓みたいなもの)
いわゆる貝毒という奴で、毒性の許容量が多いと中毒となるわけでその検査が定期的に行われています。
よく、貝毒の検査で検出されるのがホタテやアサリですが北寄などは聞いたことがありません!
でも検査はするのです。
さて、自分の問題!
羅臼の場合、検査料金の40%を自分が負担します。
貝の種類ごとに行うわけですが、この中で採算割れを確実に起こす貝が今年は出てきました。
サラガイ
刺身がとても美味いということでファンが多く、よくいつ漁が始まるんだと聞かれます。
昨年の水揚げ金額が6万円程度ですが、検査料金が@\29,700×4回(4週間分)=\118,800(税別)
オオミゾ貝
こちらも寿司ネタとして関東方面に出荷されます。
こういう食べ方も!
昨年の水揚げ金額が5万円程度ですが、検査料金が@\29,700×4回(4週間分)=\118,800(税別)
それでも、60%を組合が負担してくれていますので、助かっています。
北寄貝は昨年2回の検査ですが、半分自己負担ということで75,000円ほどで済みます。
つまり、サラガイとオオミゾ貝は採算割れということで出荷を断念します。
問題なのはサラガイは海へ戻してもまた砂に潜って生存できるのですが、オオミゾ貝は殻が柔らかく、砂の中で外からの圧力により貝柄が開かないように維持していたので、掘り出すと内圧により開いてしまい死にます。
つまり海に戻しても助からないのです。
ゴミになるのがわかっていても一緒に獲れてしまうので仕方がありません!
この漁もそう長くは続けられないなと感じています。