今年はニュースなどでも知られている通り知床根室海峡には流氷が居座りました。
観光面では流氷はありがたいものです。
流氷が在ると安全な休憩場所として春に生まれたアザラシの子供と母親が長く居座ることになりますし、観光で訪れた方々にとってはまさに目にすることが少ない光景で良いものです。
しかし、我々漁業者にとっては流氷が長く居座る事は出漁に直結し経営を圧迫します。
この時期の流氷は折り重なり、固まって凍結の繰り返しで巨大化しています。
例えるなら100tクラスの船がそこいら中に漂っている感じ!
流氷の合い間を縫う航行はとても危険ですし、濃霧が加わるとお手上げです。
漁具に被害があった方も相当いましたね!
さてゴールデンウィークが明けても流氷はあります。
5月7日の自分の漁場風景!
漁網に絡まっている魚を食べるためにアザラシが船の周りに居ます。
要領の悪いのは、その漁網に絡まって溺死します。
珍しい、アゴヒゲアザラシの幼獣も揚がってきました。(左端)
網から引きちぎるのを断念した魚です。こうして目に見えるものがある反面、綺麗に持ち去られたものは被害としてどれだけあるのか全く認識できないわけです。
いわゆる完全犯罪?潜在的な被害は漁業者の個々の判断でしょう。
5月8日。
中標津町武佐岳(左端)をバックにした流氷!あまりない画像ですね!
この時期では珍しい、地元町内在住のオジロワシと流氷!
50kgクラスのゴマフアザラシが2頭揚がってきました。
これくらいになると引き上げるのがかなり厳しい、重いんだよね!
そして被害にあった魚、味覚は人間と同じようなので値の張る魚だけを狙います。カジカなどの雑魚は一切手を付けません。
5月9日。
人に言われて気が付きました・・・・自分の誕生日でした!
流氷もあと残りわずか・・・・明日には消えるでしょう。
今日はアザラシ4頭。
100kgサイズは引き上げが困難なため曳航!
下あごに穴をあけてロープを通します。
今日は被害にあった魚がというか物的証拠が少なかったですね!
でもマスノスケがやられていました。
ところで、このアザラシたちはどうしているのかと言うと網走市にある東京農業大学の研究室に持ち込まれて貴重な研究試料として活用されています。
なのでわざわざ取りに来るわけです。
女性が死体をブルーシートにくるんでぐるぐる巻きにし車に積み込みます。
女性がやると・・・・『何か大事な物?壊れ物をくるんでいるんだな?』と思いますね!
我々がやると通報レベル?