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Channel: 知床桜
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クマでの心配事

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足障りのある話になりますし、自分の主観ですが、気を悪くする友人も多いとは思います。

でも、近い将来の悲劇に思っていたことを書いてもしょうがないので今のうちに!

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平成最後の日、登山家の友人女性が羅臼岳岩尾別付近でヒグマのブラチャージ(威嚇突進)を受けたと聞きました。

それ以前に追跡を受けた挙句とのこと!

彼女はハンターでもあり、羆との対処法は充分に知識がある方でした。

上手く対処でき、クマもそれに従ったから事故につながりませんでしたが、これが対処できない人ならそのままチャージが悲惨な事故につながったことは容易に想像できます。



ここからは批判ではなく、知床が抱えた問題だと、そしてこれが道内どこにでもこれから増えて行くであろうという問題です。

知床のヒグマは人馴れしています。

人との接触機会も多く、観光客にも慣れていますし、地元住民にも慣れています。加えて羆対応する関係団体にも慣れています。

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人は怖い存在ではなく、少し邪魔な存在・・・それが熊の認識だと思います。

昔、書いたことがあるのですが、有名なルシャの番屋の熊もある意味人馴れさせているようなものです。

そこで人を学習した熊が他所でどういう行動をとるのか…そこは考えないようにするのが世界自然遺産流!

クマの追い払いもそう、最初は効果があっても音にも慣れ、ゴム弾の痛みにも慣れ、厄介な連中の見分けもつくようになり、より狡猾にさせるだけ・・でも他にやりようがないというのも事実!

そこで、もうダメとなった場合の強制的な排除(聞こえは良いが射殺です)。しかし昨今の異常なまでの愛護思想に辟易です。

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数年前まで羅臼町で行われる『社会教育行事』に護衛ハンターとして同行していた時期がありました。
今では体力の衰えで歩けなくなりましたが、当時現場での他スタッフとのやりとりでこれはもうダメかなと思ったことがあります。

ヒグマがそれを嫌がって逃げてくれるという大前提で行っている行為、それは無駄だからみんなでひと固まりになって通り過ぎましょうという提案に反対されました。

効果が無い行為は逆に怒りを買い攻撃につながる可能性があることを言ったのですが気聞いてもらえず、その場では仕方なく不測の事態の備えて覚悟を決めました。

今現在も忌避行為は行われているようですが、その行動、大前提にスタッフも慣れ過ぎていて悲劇につながるのではと危惧しています。

『あなた方はその圧倒的な武力に対して無力なんだよ』と言いたい。

これから先も人馴れ熊は知床の外にもあふれて行くでしょう。

まだ自分の町内会ではウヨウヨいても人目を避けて行動しています。それが人目を気にしなくなるのはそう遠くないでしょう。



今、ヒグマハンターを育成しようとようやく腰の重い行政が旗を弱々しく振り始めました。

引退した多くのヒグマハンターに話を聞いて廻っています。

もう、遅すぎて伝承どころではないからです。

昔は北海道内に羆の聖地は無く、年中捕獲が可能だったこと、それが徐々に規制の網が加わり、個人道内全域の許可だったヒグマ許可が地域限定されるようになりとうとう全面禁止に!

今では規制が厳しく、全く追い付いていません。

それでも許可が下りたのは1歩前進なのかもしれませんが

昭和の日高山系での事故、今回の羅臼岳登山口での危険な事案、その時に必要なのは羆捕獲の技術です。

その技術が伝承できていない時点で終わっています。

今回、知り合いの女性に危険を及ぼそうとした熊に猛烈な殺意が湧いています。

自分は熊より人の側です。

行政の身の保身より、人の命です。

言いたいことの半分も書ききれていませんが今に一般人に事故が起きる。

その時、非難を浴びるのは殺された人であり、家族であり、敵討ちをしたとしたらそのハンターであることは間違いない・・それが今の令和日本です。

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