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北海道博物館講座 北方四島の過去と現在・未来に何を伝えるか

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根室市ニホロで行われた北海道博物館講座に行きました。

折しも、昨夜からの降雪吹雪で沖止め、除雪に追われ間に合うかどうかという時間でしたが、若干5分ほど遅れて入館しました。

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パネラーの中には同じ羅臼町の友人が!

歴史的な遺産、近代から先史時代に至るまでのことについてそれぞれ発表をいただきました。

近年のロシア側の急速な開発が進む現状を見ていて心配はしていましたが、想像以上の破壊状況でした。

ビザなし渡航の研究者枠で参加されている皆さんですが、自然動物系の方々同様、様々な縛り、法的な解釈の違いで苦労されているようです。

社会主義、共産主義時代は国家の名のもと破壊が凄まじいことは理解していましたが、ソビエトが崩壊した今もあまり変わらないのかなとも?

今の北方四島の状況は昭和の高度経済成長時代の日本のように文化財など何の意味も持たない無用の長物として扱われているようでした。

先史時代の遺跡を無造作に破壊していく様に悲しい思いで聴講していました。

それでも、現地の人々の中にもこのままではいけないという人々、子供たちがいることに、来る日も来る日も道路工事現場や農地開発の後で遺物を拾い集めていた少年時代の自分と重なる思いでしたね!

どれもこれも興味深い内容でしたがいくつか抜粋します。

最近漫画『ゴールデンカムイ』などの影響もあり、アイヌ文化に興味を持たれる方もいますが、ここでも歴史的な話題として

千島アイヌ、占守島に住まわれていたアイヌの方々についての報告がありましたので

占守島と言えば大東亜戦争末期にソビエト軍と日本守備隊の激しい戦争が起こった地域です。この時日本軍守備隊が激しい抵抗を見せなければ北海道は後にソビエト領となっていた可能性すらある戦闘でした。

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話を元に戻し、明治に入り世界中の少数民族の受難の時代となりましたが、けっしてひどい扱いをしたわけではないということが歴史的資料でもわかります。

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人道支援もしていたわけですが、当時の状況を考えると色丹島移住は仕方がなかったとも言えます。

欧米を見てもわかるように差別とはもっと酷いものです。人を人として扱わないものです。

日本人の中にももちろんそういう輩は居たでしょう。でも大部分は違います。

もしも、アイヌをの人々文化を差別破壊するつもりなら、アイヌ語の地名など残っていないでしょうし、文化すら残らない。結婚?きっとあり得ないでしょうが、実際は多くの方々が一緒になり2世3世4世と繋がっています。

自分のルーツも国後島なのでよく判りません、身内にもいますし、娘たちにも少なからず血が混じっています。

昨今、人種だ差別だという権利主張が叫ばれ、ヘイトだなんだという時代になりましたが、少し前まではそんなことは無かったはずで騒ぐことで自分達に利することを狙っている連中がいることに辟易します。

話反れました。

色丹島移住。

良かれとした善意が仇となったわけですが、これをどうとらえるか、現代の我々では簡単に判断できないとも言えます。

自分の町内会にも色丹島出身のアイヌ末裔の方がいましたが決して差別などされていませんし立派な方でした。

一部、左翼系を含む方々のアイヌ差別について過剰とも思える昨今の反応、権利主張に少し違和感を覚えています。

むしろ差別をあおっているのではとも!


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江戸時代に起こった択捉島での露寇事件!詳しくは知らなかったです。

領土を守るということがいかに大事なことかですね!

ここでは江戸時代に亡くなられた東北方面の武士たちのお墓がたくさん見つかっているそうです。

ロシアとは日露戦争以前にこういうことが頻繁に起こっていたのでしょう。そして最後は力づくで強奪されてしまいました。

今、2島返還が話題になっていますが複雑です。

2島を故郷とするロシア人の方々の思いは?北方四島の出身者の思いは?

憎しみの連鎖ではなく、これは悲しみに連鎖になっていくのでは?

個人的には日ロ混住の特別区の方が良いのではとも、ただそこにはどちらの政府の権利がという難しい話になりますね!

でも、日ロ混住の良き時代が樺太でも北方四島でもあったわけですから互いの政府が歩み寄れば可能だと思うのです。

また話が逸れました。

衝撃的な画像も

北方墓参で墓標に散弾銃が撃ち込まれました。

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文化の違いはあれど墓地であることがわからないほどロシア人は馬鹿では無いです。

どうしても過激な人はいるでしょうね!いわゆる極右の方でしょうがこういう馬鹿が一定数いるのは双方とも仕方がないと言えます。

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北方四島の文化歴史遺産の保全は風前の灯火のように開発が進んでいます。

画像の中には道路建設で見事に切断された竪穴住居も、無造作に転がる遺物の数々、持ち帰ることも許されず、そのまま現場で風化、破壊されていく様は考古学に携わっている研究者らにとって断腸の思いでしょう。

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パネルディスカッションが始まり椅子やテーブルが足りなくなってギッシリ埋まった会場に意見が求められました。


数々の衝撃的な画像や内容に頭が混乱気味でしたが、誰も何も言わないので自分が意見、質問させてもらいました。

自分にも島民2世としてビザなし訪問する権利はあるのですが、奪われた島という気持ちがぬぐえず、素直に行く気にはなれませんでしたが、いま、行って見ようかなと思っています。



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