羅臼町内の某河川でエゾ鹿の餌付き状況や大雨後の移動状態を探るべく日々、索敵行動をとっています。
ある時はひたすら登っては似たような標高を横移動しては下りてくる。
今回は雪崩れたあとの状況を見に入っていました。
雪崩が起きたあとは春の新芽が出て、その匂いに釣られて鹿が集まってきますが、問題もあります。
それは、餌の取り易い急斜面はエゾ鹿も集まるのですが、時々雪崩に巻き込まれる鹿が居るということです。
平成27年の大雪の時はそれがあちらこちらで起こりました。
画像はポン春刈の支流奥地での雪崩で多くの鹿が埋まっているのを遠目で確認し、それにキツネやワシが集まっていました。山奥のせいかカラスはほとんど見られず。
同じ場所で巻き込まれなかった鹿は自分に気が付いてゆっくり移動。
今回は違う場所でそういう可能性のある個所を探っていました。
昔の埋もれた角。
雪崩か何かの不慮の死で無くなった鹿の角です。
掘り返してみると頭骨の一部が付いていますので不慮の事故でしょう。
斜面を覗き込みながら、時々雪崩に自分が巻き込まれる危険も考慮しながら進み、出遭い頭の冬眠明けにも注意していると・・・・
川の中に死体です。
見慣れた鹿ではなく、でもそれが何であるかは瞬時にわかります。
30数年の天然記念物鳥類の監視員をやっていますが、何度も見ています。
今年は初ですね!
昨年は3羽。
本来そんなに簡単に出会う物ではないんですよね!死体が自分を呼んでいるのか?
自分の第6感がそうさせているのかはわかりません?
オオワシの亜成鳥と思うのですが、死後時間が経過していることもあり判断は専門家に任せます。
冷たい川の中から引き揚げました。
背中の傷は水面から出ていたので野鳥か何かに食べられたのでしょう。
ヨコエビも出てきました。
裏返してお腹の方を見ましたがこちらは水中なので見た目では傷がありません。
しかし、中身が喰われたのか、胸肉はほとんどなくて痩せている?
ある意味、食に恵まれている羅臼でも個体によっては餌を確保するのが難しいのかもしれません?
上流に行くと古い鹿の死体がありました。
難所の滝を越えてさらに奥に行くと、崖から転落したと思われる鹿の新鮮な死体にキツネがかぶりついていました。
熊でなくて何よりですが、友人らは既に登山中、熊に遭遇しています。
一度、水中に戻し上流に行ったわけですが、両側が切り立ってきて断念し戻り、回収して帰路に着きました。
目が自分の無念を訴えているようで複雑でしたね!
下山後、羅臼にある環境省自然保護官事務所に届け、そこから釧路市にある猛禽類医学研究所に搬送されて検死が行われるはずです。
天然記念物、許可の無い人が勝手に移動させたりすることは確か法に触れたような?でも、そんなこと言っていられませんね!
その日の夜、フクロウの死体も拾いました。(普通は拾わないよね)
1日に2件の猛禽類回収でした。