あえて言わせていただきます。
近年はこれからお見せする画像のようなものに対して嫌悪感を抱き騒ぎ立てる方がいますが、こういう世界は知っておくべきこと、それも子供のうちから正しい知識と理解を持って大人が教えていくことだと思っています。何もかもオブラートの包むのは結果的に不幸なことだと経験を持って言わせてもらいます。
残酷が画像を見たから事件を起こした、虎馬になったというのは馬鹿な大人の無責任な言い訳です。
きちんとした教育がなされなかった結果の顛末を責任転嫁しているだけです。
7/21、某地点で希少種クジラのストランディングが発生しました。
詳細は後ほど北海道ストランディングネットワークのホームページ上に上がるでしょう。
他町ではありますが、水産関係の役場職員にとても理解のある方が現れ、大型鯨類今季2度目のストランディイング報告となりました。
元々役所というのは事なかれ主義、それは農協でも漁協でも同じで日本人の性格とも言えます。
そんな中、ストランディング報告を素早く行ってくださりその後の運搬、剖検場所の提供などを行ってくれる方は大変貴重です。
B町の水産課のSさん、今後もよろしくお願いします。
我が町羅臼でさえ最初の頃は知らない間に施設へ運ばれサンプリングする暇さえ与えられずに処理されたことが何度もありました。過去10年内の話です。
職員によって対応は大きく変わるので、どうか移動しないで欲しいという思いです。
さて、22日早朝、朝5時から行うという情報で参加は無理だと思っていましたが、出港時の海況が思わしくなく断念、当日の天気予報はかなり悪かったこともありその日の出漁は取りやめ現地へと向かいました。
午前8時、予想通りというか解体はかなり進んでいました。
体長4mほどという話だったので終わっているかと思いましたがまだ除肉は終わっていないので参戦!
大部分の除肉、必要な脂肪や筋肉は既に採取済み、内臓類も調べがついて必要なものはすでに回収済み、小腸は長さもすべて調べます。
このクジラは現時点で種類が不明です、ハッブスオウギハクジラの子供では無いかと思われますが詳細はDNA鑑定です。
もともとこの鯨種は深海に居るクジラなので座礁した海域(最大深度が30mほどの海域が広がっている地域)を考えると原因が何なのか調べる必要があります。
最初の発見時は生きていたということですので漁具等による溺死ではありません!
頭部の切断面!獣医さんの博士課程の方たちなので解体はお手の物です。
全ての脊椎動物に言えますが(もちろん人間も)頭骨の分離では頭部と最初の頸椎以外に刃物を入れるのは無理、最も効率よく切断できる場所で、その昔公儀介錯人や西洋の死刑執行人が居たのはその技術に長けていたためです。
ちなみに上の穴が気道、下が頭骨と頸椎の接点、穴は神経などの束が通っていた場所です。
ダックビル!
一度、陸に上がった哺乳類が再度・・海へ戻ったのが鯨類などの海生哺乳類、進化の過程で鼻の位置が変わり噴気孔が食道から頭の上に・・・この器官はその過程で生まれたもので鯨類にのみあります。きっと、これが海水の逆流などを防いでいるのでしょう。
拡大するとこんな感じ、名前の由来が判りますね!
外部の空気を最初に取り込む器官、防波堤のような役目も担っているのでリンパをはじめ様々な遺伝子情報を持っている場所なので回収です。
海の世界で鯨類は食物連鎖の頂点であるわけでその間に取り込む様々な動物たちの寄生虫ももれなく・・・・!
居ました。これは肝臓に寄生していた線虫!
胃なんかは見せられません!
もちろん肉にも・・・刺身で食べる方はどんな生物も一度冷凍が基本です。
死因は寄生虫なのかはわかりませんが何らかの病気でしょうね?その原因が人の活動によるものなのかはわかりませんが、胃の中には人工物は無かったようです。
骨格もすべて回収し、調べ終わった肉片は業者に処理をお願いします。
ちなみに十分に食せる鮮度ですが、脂肪が人の消化器官で分解できない場合は激しい嘔吐と下痢に見舞われるので覚悟のうえじゃなきゃできませんね!
解体の現場でも、人の手術の現場?でも使用した手術衣は廃棄が原則です。
自分のも当然廃棄、焼却処分ですが、その日のために古いのは取ってありますので問題ない
外での作業と新鮮個体だったのでそんなに臭いは気にならない・・・(人による)
一度、着替えて帰路につきました。
彼ら彼女らもまたそれぞれの大学へと戻っていきました。
今後、大型鯨類(シャチも含む)のストランディングで解体に協力したい方が居ましたらこっそり連絡ください。当然ボランティアでこき使うのでそこはご理解のほど!
こういう新鮮なのは奇跡でほぼ腐っていますので気合と根性、病的な方が良いですね
あっ!同じ病的でも愛護団体は却下です。