投稿がしばらく滞っていたのは疲労からです。
さて、すでにご承知の方もいるかと思いますが羅臼町の幌萌町海岸線で大規模な地滑りとそれに伴う海岸の異常隆起が発生しました!
新聞記事の空撮画像ですが当日はヘリやら飛行機やらたくさん入れ代わり立ち代わり飛んできました。雪崩以来です。
グーグルアースで見るとこんな感じ!
今回の地すべりですが、海岸の隆起は別として知床半島では歴史上珍しいことではありません!
大規模な山体崩壊を伴う地滑りは知西別岳や硫黄山でも発生していて標高が変わるほどです。
また、羅臼町麻布町奥にある精進川上流でも毎年大量の地下水による、ゆっくりとした大規模な数キロに亘る地滑りが起こっていて、その対策に大掛かりな土木工事が行われ10年ほど前に完了しています。
これらは知床半島が形成された歴史を紐解くとごく当たり前の現象ともいえます。
地すべり隆起前の海岸線!
そんな場所で数年前に行った化石採集風景!まさにこの場所です。
今回はこんなんなっちゃいましたね!
凄い風景です。
知床半島は元々は平らな海底の中にありました。
固い大陸プレート上に長い年月を経て砂や泥海の生き物の死体が堆積して行き、やがてプレート同士の衝突により隆起、その裂け目から溶岩が噴出し今現在の形となったわけです。
そのため、山の頂上に向かって地層が斜めになっていますし、山中での海生物化石の採集が可能です。
なので知床の地形は硬い岩盤の上に泥や砂の層が乗っかり、ところどころに流れ出た溶岩がその上に乗っかるという、ミルフィーユ状態ともいえます。(春松小学校、中学校の山側を見るとよくわかる)
(赤枠は全体的に海側に移動し標高が10メートルほど低くなりました)
今回も過去の山体崩壊や地滑り同様、硬い岩盤と堆積物との間にある地下水脈が原因で起こったわけですが、これは羅臼町のどこでも起こり得る可能性がありますね!
私的意見ですが!
ただ、地下の地形がどうなっているのかまではわからないので、今回みたいな反動で盛り上がるとはさすがに思いませんし、世界遺産登録しても良いのではと・・・・ジオパークとして?
たくさんの取材者が訪れていました。対応する北見工大の先生ですが、こんな場所にトレッキングシューズ出来ていたのは残念!
泥だらけのずぶ濡れでしたが…野外は歩き慣れていないな!
まだ、地盤が安定していないのでこれからもどうなっていくのか心配?です。
そんな安定していないところに漁師仲間と被害の状況を確認に行きました。
現場は昆布の優良な漁場です。
ウニも獲れます。
定置網もすぐわきにあります。
少し沖には養殖場も!
一気に隆起したので魚も逃げる暇が無かったようで死んでいました
ウニはほとんど持ち去られて数個しかありませんでしたね!
ももももももちろん、持ち去ったのはカラスですよ!
海の美味しい匂いに釣られて当然、熊もやってきていましたが・・・足跡が忽然緒消えていたので・・・埋まった?
ゆっくりとですが地割れが進行しています。
海側には心配して漁場を見に来た仲間たち!沖には警戒のための海保「かわぎり」が監視!
昆布漁師でもある彼らからは海が急激に遠浅になっていると叫ばれました。
今後しばらくどころか数年先までこの辺り一帯は漁場としては機能しない可能性がありますので困ったことです。
山側に目をやると大地が引き裂かれた跡が!
崩壊していないけれど周辺は亀裂だらけです。
国道側に出てみるとこんな感じですよ!NTTの電柱がぶら下がっていてやばいことに!
持っていかれた旧道と国道の間の牧草地も亀裂が走っています。
雪捨て場となっている旧道ですが使われていたら大惨事になっていましたね!何よりも住宅地では無かったのが幸いです。
帰宅後、漁業協同組合から『近寄らないように』というFAXが・・・見ていれば行かなかったのに!