巷では北海道内のエゾ鹿の生息頭数について様々な学者さんなどが推定頭数をはじき出しています。
また細かく地域ごとにも出しています。
やれ減った、やれ増えた!人によっても意見が若干異なりますが、駆除の成果で徐々に減りつつあるというのが一般的な見方です。
では、羅臼はどうか?
10年以上も前なら道路脇の法面は鹿だらけで交通事故が頻発していました。
それが今では姿を見つけるのも困難なほど!
今年に至ってはわざわざ山から追い出さなくてはいけないほどです。
単純に減ったという感じですが、実はそれほど甘くないというのを今年の山歩きで実感しています。
10年以上も前の山奥はどうだったのか?ヒントは樹皮の食害に遭った樹木でおおよその見当を付けています。
人里近くの山には10年以上も前の食害に遭った樹木の残骸がたくさんあります。何とか再生し生き延びた樹木も!
一方、標高が300m以上、住宅街から3km位奥に入ると古い食害の樹木は無く、最近のものばかりです。
そして、周囲を見渡せる地点に入るとそこかしこに無数の蟻のように蠢く鹿を見ることができます。
減ったのではなく、単に用心深くなり山奥で過ごすようになっただけなんだというのが自分の感想で、ゆっくりと増えて行っているんではと言うのが自分の感想です。
きっと、有害駆除を3年くらい中止すると安心して降りてきてまた町中を闊歩する日が来ると思います。
それはそれで、観光面、特に狩猟面では最高の環境ですが!
大体、水が飲める河川の急斜面が点在する川には3ケタ単位で鹿がいるというのが自分の見て廻った感想です。
順に多いのが植別川、春日大川、ポン春刈古丹川、精進川北岸、知西別川ですね!
ポン春刈古丹川の様子を動画撮影しましたので見てください。
場所に到達するまで2kmほどは全く鹿の痕跡が無い、やがて徐々に増えて雪崩れた個所に到達するとうじゃうじゃ!小鹿もたくさんいますし資源的には問題ない!
雪が多いから餓死する鹿が出るんじゃないかとか思いましたが自然はよくできています。
高い場所にある新芽や柔らかい樹皮が食料になり、嵐が多かったので風倒木も多く、適度に雪崩が発生するので下草や根を食べることもできるわけです。
わざわざ、危険な思いをして人里に下りてくる理由はありませんね!
逃げ始めたのは突然、自分が現れたからですが雪崩れた場所の雪の中には巻き込まれて死んだ鹿があるらしく、ワシが付いていました。
鹿の大きさと雪の壁を比較してもらうとわかりやすいかと思いますが、雪の壁は数メートルです。この穴の中にも50頭くらいはいたでしょうか?
昨年、友人通しでスノーモービルで春山を楽しむ(林野の入林許可を得ていなければ違法)方々から『エゾ鹿の落ち角が山奥にたくさん転がっていて売れないだろうか』と持ち掛けられましたが昨今はどこにでもありますからね!
エゾ鹿の有害駆除下見で難易度は増すばかりで、ハンターは高齢化するばかり・・・、どこかで限界が来るだろうな?
ああ~、あのトナカイみたいな角の鹿は欲しかったなと思った!