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Channel: 知床桜
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北海道大学水産学部による講演会

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羅臼漁協で著名な研究者を招いての講演会です。
 
桜井教授は実を言うとこの業界ではかなり有名な方ですので会場にはたくさんの漁業者が!
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何か良い話が聞けるのかという思いで広聴に来た漁業者の耳には?
 
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最初に院生から羅臼漁業の漁獲量などの変遷について発表がおこなわれました。
 
尚、撮影に当たっては許可を得ています。
 
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漁獲量、魚種の変動要因として海水温が大きく影響していることは我々も良く知っていますがきちんとした裏づけデータでは日頃見る機会が無いので勉強になります。
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秋サケについて孵化放流事業が国際的な圧力で縮小されたことは知りませんでした。
まぁ、自分が関わる魚種ではなかったので関心が無かったこともありますが、ここでも食料が武器になるということを実感させてくれます。
つまり、生態系に悪影響があるなど云々と言うもっともらしい聞こえの良い理由で縮小させ、不足分を日本に買わせようという政治的な駆け引きでしょうかね?
 
クジラを禁止させて自国の安い牛肉を買わせようとし、実際に成功したオーストラリアの例(ETA)を見るように日本は弱いよね!
 
さて、講義の後半は漁業者にとって刺激的な内容になりました。
 
温暖化による漁獲量の激減です。
 
温暖化自体は科学者によって大きく意見が変わりますが、こと日本近海の海水温だけを取ってみると明らかに急激な変化がみられます。
これが長期的なものか一過性なものかは長い地球の歴史の中の人類の歴史なので終わってみなければわかりませんね?
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ただ、この急激な海水温の変化はかなりやばいという話。それは日々我々漁業者が実感しています。
 
羅臼の屋台骨を現在支えている秋サケですが、どう考えても資源の減少は免れないでしょう。
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現在、我が世の春を謳歌している秋サケ定置網漁業者の9割は将来的に厳しい状況に追い込まれる可能性を示唆していました。
 
そして、今年に賭ける漁業者を震撼させた報告が始まりました。
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エルニーニョ現象が発生したことです。
 
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すでに、日本近海では影響が表れ始めました。
 
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様々なデータを示しながらの説明は簡単明瞭でよく判りますし、きちんとした裏づけ、結果がショッキングでした。
 
今年は長年のデータから推測するに、羅臼近海でのイカ漁は期待できないという話。太平洋沿岸では浦河沖、日本海側ではオホーツク海まで北上しないだろうという。
 
近年のイカの大豊漁と高値に期待し過剰な設備投資は大変危険だという忠告をいただきました。
 
実は今年の羅臼漁協組合員はすでにこのマイカ漁に期待して大きな設備投資をしています。
 
これでイカが来なかったら、かなりやばい話です。
 
ある組合員が言っていた『羅臼ではイカでかまどがひっくり返ったことはあっても立ったことは無い』その言葉の重みを噛みしめます。
 
こんなとき思うのはあの時の秋サケ密漁事件の摘発が痛かったなと!
 
昔は北海道知事の特別採捕と言う形で刺し網による秋サケ漁が許可されていました。
 
正当な理由と陳情があれば十分に許可が下りた可能性があったはずですが、後の祭りですね!
 
何せ他の地区では刺し網や延縄によるサケ漁が許可されているわけですから、まさに自分で自分の首を絞めちゃったわけです。
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終わりの方では海獣類の増加!これは感情的な問題も絡んでくるんで難しいですね!ここで大々的に駆除でもしようもんならシーシェパードに新たな資金源を供給することになりますが、我々が先に死ぬか?
それ以前に国内の大部分の国民からも大きな反発を買うでしょうね
 
最後に桜井先生の実用新案特許の説明!
 
イカの鮮度保持器具でこれを使って出荷すると高値で取引されますよ・・・という感じ?
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でもね・・・先生実情をわかっていない!
大都市近郊の水産卸売市場は競争原理が働いて競りが行われますが、地方の水産卸売市場はどこも一定の法則が働いています。
これはある意味、しょうがない面もありますが!
 
活〆にしても活魚にしても、実は漁業者にとってマイナスに働いてきたことが多くそのほとんどが定着しませんでした。
 
例としてキロ当たり500円で売れていた魚を活〆にしたら高く売れるはずというのが一般的な考えですが、実態はそのままキロ500円、そしてそれまで売れていたキロ500円が値段を下げるわけです。
 
つまり手間暇かけたのに逆に収入が減るわけです。
 
多少の違いはありますがそんな感じで、きっと手間をかけてもイカの高値取引には反映されないでしょう?
 
買受人側からすれば高く売れる保証もないまま競り落とすにはリスクがありその立場も理解できます。読み違いで随分羅臼の水産加工場関係者も煮え湯を飲んでいます。
 
でも、羅臼のイカはそのほとんどが右から左の道南への生送りなので向こうの買受人が希望すれば話は違うかもしれませんがね?
 
イカ漁、自分も昨年終了時は迷いましたが、すでに出入りできる港が無いというし、大きな設備投資を確実に回収できる見込みが無かったので止めましたが…それも他の魚種が獲れなければ同じです。
 
どうか、先生の予想が外れて傾く漁師仲間が自分を含め出ないことを祈ります。
 
寒い夏は嫌いだ!
 
 
*かなり講演の内容は省略しました。
 
 
 
 

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