2013年度の厳冬期のエゾ鹿有害駆除が2月2日から羅臼町で始まります。
根室管内は他の地区が3月末までエゾ鹿の狩猟が可能なのに対して、1月31日で終了します。
理由は、猛禽類(主にオジロワシ、シマフクロウ)の繁殖行動が始まる時期と重なることに対しての措置です。(根室管内は巣が多い)
素人考えですと、どちらも銃器を用いての騒ぎなので同じじゃないかと思われがちですが、各市町村の地理(巣のある場所)に精通したハンターが巣を避けて行うことに意味があります。
自由な狩猟により地理に不慣れなハンターが巣のそばで発砲し、繁殖に影響を与えるのを防ぐ意味もあるのでしょう。
そのため、ハンターはそれぞれの地域に所属するハンターで構成されますのでこれからは高齢化により大変な世の中になっていくのです。(自分はいつ勢子から卒業できるのか=答え:永遠に無理!)
では巣のある場所を誰でもわかるように明記すればと思いますが、そこは悪さをする人が出てくる可能性が大いにあるので無理ですね
隊長として下見をするのですが、鹿の動きは明らかに数年前と違います。
3年くらい前から、狩猟区の場合、猟期が始まってほどなく山奥に避難し、夜中にのみ活動するようになってきました。
一方、保護区の場合はせっせと人里で栄養を蓄え、有害駆除が始まるころになって徐々に山奥に避難するようになりました。
駆除が始まる前は山奥で過ごしていた鹿が積雪と同時に徐々に人里へ下がってきたものですが、今は逆なんです。
保護区で1月初めに見られていた鹿たちは今現在、ほとんど見られなくなってしまいました。
作戦を立案するにあたって悩みどころです。
ハンターなら誰しもわかるところですが、追われた獲物は高いところを目指します。でも駆除は死体回収を義務としているので急峻な山奥で何頭も転がすと回収=遭難になりかねません!
そのため、射手は少しでも人里近い(車両が近い)場所になり、勢子はエゾシカを下らせなければいけないわけで、これが難しい。
勢子の戦力(人数)が不足しているのです。
今度の日曜日、成果はゼロになりそうで責任の重さで眠れる夜を過ごしています。(ストレスがかかると眠くなるタイプです)
海を眺めトドを観察する恋人同士を横目に見ながらエゾ鹿を偵察する毎日です。