漁が無く、仕事が早めに終わり、午後からも凪ている日を狙っていました。
目的は小型の船(船外機船)による知床半島のヒグマ見学に乗船することでした。
羅臼町では『知床らうすリンクル』という会社が春の流氷が去った頃から8月末くらいまででしょうかね、知床半島羅臼側の海岸線を廻るクルーズ観光を行っています。
8月末までなのは操船してくださる漁業者の都合と秋からは海況が悪い日も多く、急変することも珍しくないからでしょうね?
今時期はヒグマが春の山菜に夢中なので簡単に見ることが出来ます。
車で道路上や脇に出てきた熊を撮影見学するよりはずっと良いわけで、距離も十分、双方にとって環境にやさしいと自分は断言します。
反対意見・文句があれば受けて立ちます。
今回はその羆クルーズということで乗船、見たかったのは羆というよりは幾度となく歩いた知床半島までの海岸線をもう一度見ておきたかったのと、クルーズでのガイドの様子や観光客の反応、羆との距離感を知っておきたかったことが大きいです。
友人や学生に紹介するにあたり伝聞だけでは責任持てませんからね!
西日が差し始めた・・・ちょっと陽射しの関係で見にくくなった時間帯ですが、14時出港のクルーズに乗船しました。
基地港の相泊港を出港して間もなく、クズレ岩周辺の捜索!
観音岩周辺、岬までのトレッキングでは最初の難所と言われています。
道中は様々な観光名所のアナウンスも、近寄れるのは船外機船の特権ですが、海底の地形、暗礁を熟知していないと無理なので少数の漁業者しか操船は無理です。
ちなみに自分も10年以上も前に急遽、人を乗せて操船して走ったことがありますが、恐怖で2度と勘弁してもらいます。
メガネ岩、トレッキングではこの中をくぐり抜けます。
ヒグマを見つけると停船してゆっくりと岩との衝突を避けながら近寄りますがそれでも200mくらいまででしょうね!車なら10m?車から降りて撮影でもそんな感じでの距離はもう止めるべきです。
揺れる船の上での撮影はかなり厳しい!
連写してナントカ数枚撮影できるかなという感じ?亜成獣ですね!
船であるということもあり、羆もそれほど気にしませんが、結構嫌がるクマが多かったのは意外でした。
逆に考えればそれが人と熊との距離なのでしょうし、そう出ることが望ましいわけです。
弐本滝番屋付近、距離は400mはあるでしょう。
その後も次から次へと熊だらけですが、大きな熊ほど敏感に反応してはるか遠くなのに逃げていきます。
比較的、無頓着なのは経験の浅い若い個体が多いです。
海面は黄色い白樺花粉が凄い!
赤岩地区の昆布番屋付近は冬の間に竜巻による被害が出ていました。
潰された小屋と巻き上げられた屋根の一部が山腹の中間にありました。
もう、ここの昆布番屋もすべて閉鎖されあとは朽ちていくだけですが、ナントカ利用できない物でしょうか?トレッカーの緊急避難先として利用確保も視野に入れるべきだと思いますが環境省の頭の固さが気になります。
それを言うならばもっと他に・・言いたいことは山ほどありますけれどね!
知床半島突端に来ました。凪が良くて良かった!
岬の台地上に親子がいました。距離は600m以上ですが、全力で拡大!
ピンクの花と子供の愛らしさ、知床の自然を感じさせます。
あっ、ちなみに今回活躍したカメラの宣伝です(笑
40倍ズームは侮れません!
これさえあれば、隣のビルのあの娘のお部屋も着替えもばっちりです。
真面目な話としての総括です。
正直に申し上げて、この遭遇率は凄い!
トレッキングだと死角になり、或いは熊の方で先に気が付いて出会うことはないだろうなという場面も海からだと一目瞭然です。
ヒグマとの距離感も申し分ないです。
撮影で人馴れと言いますが、コンブ漁やウニ漁はじめ浅瀬で漁をする漁業形態は他にもあり、問題にすること自体がおかしな話です。
都会の方が羆の棲み家、土地に人がetc言いますが人も紀元前から知床半島に住んでいるわけですからバカバカしい話しで、これは地元の自然に関わる職業の方も口にするのですが『羆のテリトリー』に人が入っていくから人が遠慮すべきという。個人的にはそれは違う『お互い様だよ』と言いたい。
このクルーズは宇登呂の観光船でも過去に大きな座礁事故があったように難しい操船を強いられますが、船底の特徴、機関の特性を最大限に生かしたもので漁業者の自分であっても楽しい時間でしたね!
乗船料金1万円を高いと感じるかどうかはお任せしますが、日本国内の他では味わえない経験は代えがたいと考えます。
何よりも歩いたこともあり、操船したこともある自分が言うのですからそこは信じてもらえればと思います。