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Channel: 知床桜
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後手後手の獣害対策

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話は長くなりますし、耳障りで余計なことを言うなという関係機関も多いでしょうが率直な意見を①ハンターとして、①漁業者として、①住民として述べさせてもらいます。

まずは漁業者として

2015年あたりから急激に根室海峡でのトド被害が急増してきました。

昭和な羅臼の頃は多くのトドハンターがいてハンター・トド・漁業者の間で均衡が保たれていたわけですが、そこに割って入ったのが欧州の愛護団体、それに及び腰となったのが水産庁をはじめとする政府の関係機関と行政機関。

以来、スケソウ漁の減少とともに補助金も少なくなりトドハンターも激減!

イメージ 1
              (現在は須藤さんのみ)
ほぼ絶滅危急種です。

加えて多くの制約があり、一般のハンターが加わりにくいという現象、個人的には漁業者のためを思うのであれば門戸を広げるべきとは思います。

有害駆除の括りですが、義侠心から報酬は必要ないというハンターも多い筈です。

各海区ごとにトドの駆除の割り当てがあるわけですが、根室海区は15頭(羅臼14頭)の枠、日本海側が500頭に対してなんという差でしょう?

イメージ 2
                      (宗谷のトド島)
そもそも、500頭獲っているのか?正確なカウントは事後報告だけでしょうか?

500頭、どう処理している?

あまりにも不明瞭です。

同じロシアの島出身のトドなので、こっちにも廻せやっていう話です。

2018になり、今年は春からトドがたくさん見られています。

イメージ 3

昭和40~50年代初めころのようです。

原因はニシンの回遊。

群来も見られたという話もあります。

今はそのニシンにトドたちは夢中になっているのでニシン漁をしない羅臼では漁業被害は聞こえてきません!

でも、よく考えて欲しい。

日本海沿岸でトドの被害が急増したのはニシンの豊漁が見え始めた2~3年後から、当然トドもバカではないので同じことが根室海峡でも起こるでしょう。

各漁協はどう考えているのでしょう。北海道はどう思っているのでしょう?

おそらく振興局はじめ北海道庁も話にすら上っていないでしょう。

大型トロール主体のロシア、アメリカにとってトド被害は見えにくく、どうでもよい話。日本のような沿岸漁業とは比べようがありません。

イメージ 4

政治的にも動物愛護は良い宣伝にもなりますし、立身出世に漁業者の生活と愛護世論どちらが優先するかはわかりきっています。

自分も昨年秋から許可を貰えましたが実際の現場では捕獲枠の関係で追い払いのみです。

ましてや、15頭の捕獲枠が達成された後で間違いも許されませんし観光客やカメラマンのレンズが向いている中で何が出来るのでしょう。

捕獲枠さえ大きければ対処のしようがあるのですが、必死に船で追いかけまわして漁場から追い出そうとしている仲間の漁業者を道路上から見て、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

今すぐにでも捕獲枠を増やせ!

100頭になったからと言って100頭も獲れるわけもなく、我々素人ハンターが対処、技術を磨けるだけの数年の時間を与えて欲しい。

きっと、数年後捕獲枠が増えても時すでに遅く、漁業者の方が先に参ってしまうでしょうね!



もう一つ、熊問題!

別名『春熊対策』正式な名称は忘れましたが、羆の狩猟方法の技術伝承のための後継者育成として斜里、中標津、標津、羅臼の4町に対して合計4頭の羆捕獲枠が与えられて2~3年経ちましたが、なんら伝承につながっていないという現実!

オス熊対象でメスを捕殺した時点で終了、しかし子連れならともかく巨体でなければ運任せな部分も多いわけです。

許可が出るのが遅く、下りてきたころにはもう山は歩けない状態!

そこは年度末なのでしょうがないとしても、あまりにもトド同様、枠が小さすぎるということ!

羅臼はまだ現在まで一度も出動できていません!今年も某町がオスメスを各1頭獲ってしまい、早い者勝ち終了。

新人養成どころか、昔を懐かしむベテランらが楽しんで獲ってしまって終わりという現実にどういうことでしょうね?

実際、道東には有名なハンターがたくさんいますが、もう山を歩き回れる人はいません!

なんと言われようが、今の自分らと同様に縦横無尽に山を駆け回れる体力は既にありません!

それが現実です。

そして自分もあと数年でその体力も気力も無くなるでしょう。

せめて、熊の現場が近場であっても各町の猟友会は一体となって、もう少し新人育成に力を入れるべきで、後輩を育てる気が薄い現実に悲しいです。

熊問題は愛護の力が、世間の同情論の方が強いです。

公的な機関が及び腰になるのも、その狂信的な攻撃力を恐れての事ゆえ理解できなくも無いですが、三毛別のような熊が二度と現れないという保証はないわけです。

全て警察と自衛隊、中央官庁で対処、責任を持つというなら何も言いませんが、それは日頃の予防措置からすべてという意味です。

平等に熊の保護団体として有名なHPを紹介しておきます。


彼らの言うことも一理あります。でも彼らは被害が出てもそれに対しては何ら何もしない、やらない、出来ないということ!

悪いのは人間という揺ぎ無いものがあるからです。

熊の棲み家を・・・・いやいやあなた方の住む都会も元はと言えば彼らを追い出した土地でしょって話!

鹿でもそう、アライグマでもそう、マングースでもそう、現場を知らない輩が机の上で決めていくのでこれからも後手後手や!




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