2017年度から、今まで限定的に認められていた羆の有害駆除に限っての鉛弾使用が禁止になりました。
例外はないそうです。
鉛弾については御存知のようにエゾ鹿の残渣放置、狩猟で使われる鉛の弾が原因なのは明白です。
悪いのは鉛の弾を使用して残渣を放置する行為であって、鉛の弾そのものではありませんよね!
ただ、そうは言っても半矢で回収ができない場合もあり、鉛弾の毒性を考えると狩猟における禁止は理にかなっているとも言えます。
何よりも、ルールを守れない一部ハンターの側に問題がありますしね。
有害での鉛弾を狩猟で使うのではという不信感が根底にあるのでしょうが、それはあまりにも短絡的過ぎます。
拳銃を持つ警察官が拳銃を不適切に使用したから全て取り上げろとは言わないでしょう。
覚せい剤、麻薬が悪いからこの世から根絶と言っても、医療用として厳格に管理使用されるようにすべてが悪ではないはずです。
しかし、鉛規制・・・・羆に対してはどうなのでしょう?
実は多くの羆ハンターと話をする機会があります。
差し障りがあるのでどういう方たちなのかは伏せさせてもらいます。
狩猟で羆を銅弾で獲ることには異論はないし、場所(周囲に逃げ込める藪が無いなど)さえ気をつければ問題無いことは皆さんが言っています。
しかし、銅弾は同時に鉛と違い貫通力が高く、的確に心臓を撃ち抜くことが要求されます。
鉛であれば貫通する例はありますが、ほぼ体内でエネルギーを収束させるという。
銅弾は200kg未満の羆であれば、さほど問題は無いと言います。
しかしそれが300kgを越え、400kgを越え、500kgに達してくると話は違ってきます。
戦車のような頭を狙うのは絶対にやってはいけない行為、分厚い皮下脂肪と筋肉の鎧を身にまとった動き回る羆の小さな心臓を的確に撃ち抜く技術は簡単ではないといいます。
ましてや、銅弾は鉛と違い体内で飛散しないので外れたらどうにもなりません!
今まで、緊急な有害駆除の現場で使用を認められてきていた鉛弾、それが規制されることに強い不安を覚えています。
羅臼町に限っての話ですが、熊撃ちの経験があるライフルハンターは4名、皆自分より10歳以上年上の方です。
やがて自分もライフルを持つ可能性があり、否応なく羆の有害駆除の現場に出向かざるを得ないでしょう。
羅臼町での羆の有害駆除現場は見通しが効く場所がほとんどありません。
経験の高い熊は檻にも入りませんし、住宅地に夜間出没します。
人的被害を防ぐ意味からも確実に止める必要があります。
鉛弾=悪の信奉からもう少し現実的なことを行政は考えて欲しいと感じています。
鉛から銅に変わり、言われていることは自分が持つ予定の300WINマグナムなら鉛の270、338マグナムなら300WINマグナムというふうに威力が落ちるそうです。
少し昔になりますが釧路管内浜中町で起こった羆有害駆除の死亡事故!
半矢となったクマの逆襲で不幸により亡くなられました。
動物愛護の方でしたら『ざまぁみろ』と言うのでしょうが、そういう言葉を吐き散らすほど人としての心が荒んでいる馬鹿ども以外の何物でもありません!
この事故のヒグマの検視内容がハンター及び関係者の間で知られるにつれ、あらためてその恐ろしさを認識されました。
怒り狂った羆が数名のハンターがいる中で周りを無視し、最初に発砲した人めがけて一直線に向かったと聞いています。
すぐに仲間が至近距離から発砲を繰り返しますが、怒り狂った猛獣の皮下脂肪や筋肉は鋼鉄の鎧と化し弾を通さず、皮下脂肪で全て止まっていたと言います。
致命傷となったのは、耳に向けて発砲した押っ付銃!
有害駆除の現場は付近が住宅地だった場合、失敗は許されません!
現場で万が一藪に逃げ込まれたときどうしましょうね?規制した道職員に入ってもらうのが一番かなと思っています。
安易な現場の声を無視した一方的な規制は本末転倒ではと思います。
自分は羅臼町猟友会の部会長と言う役職、安易に発言できる立場にはないのですが、言わせてもらいました。
同時に、自分は30年以上羅臼町の鳥類天然記念物保護監視員もしていますし、狩猟鉛弾使用による猛禽類の鉛汚染に憤慨している立場で人一倍、協力しているつもりではいます?
今一度、再考願えればと関係者の声が届くことを念じています。